アトリエヨウコ

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いかり

 

愛と憎しみは表裏一体


愛が深ければ深いほど憎しみは濃くなり


憎しみが濃ければ濃いほど愛は深くなる

 


全く異なる二つの存在が


滞りなく一つに交わっていた


しかし片方は進化を望み


そしてもう片方は現状を望む


そのアンバランスはやがて


一つだった存在を少しずつ二つに分けていき


氣づけは


別々の層となり


さらには


温度差も産まれていた

 

これまで信じてきたモノがガラガラと音を立て崩れさるのを知った


進化を望む存在は


心底からの憤慨を露わとする


しかし


現状を望む存在は


そんなことは知らない


何も起きてはいない


かのように接する


その態度に


進化を望む存在の怒りは頂点となり 


現状を望む存在をこの世から抹消すると決めたその瞬間


すでに現状を望む存在の姿はなく


これまで睦まじく過ごしていた


美しくも重厚なガラス瓶の中には


進化を望む存在のみとなる


呆然とする中


広い空間となり


残された存在が思うこと


裏切りとも思える


現状を望む存在の行動


それは自身がさらに進化するためには


不要となるモノを切り捨てなければならない


これまで自身を支えてくれた存在


しかし内心


窮屈さをも感じていた 


言葉にはせずとも


それを理解をしていた現状を望む存在は


敢えて悪役という役を装い


進化を望む存在の奥底に眠り沈んでいた



それは


進化を望む存在を阻む


自身も触れたことのない


引き上げたくとも


どのように扱えばいいのか分からない


という


自身にとって最大に恐ろしい存在


その錨を


暗く重い海底から引き上げることのできる


唯一の方法となるのは


進化を望む存在がこれまで


感じたくとも感じることが出来なかった


怒り


その


錨の鍵穴に怒りの鍵がカチリと合ったその途端


現状を望む存在


という名の錨は


役目を終えた


のではなく


一つの存在でもある


進化を望む存在に


真に還った


のでもなく


進化を望む存在自身がクリエイトした


イリュージョンを一人


鑑賞していた


それだけの


ことだった

 

 

陽子

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