アトリエヨウコ

ATELIER DE YOUCO ∞ article galerie space

たびじ

 

陽子...

 

...

 

おかえり

 

...

 

このたびの旅

 

...

 

どんな旅だったのかな?

 

...

 

あなたは今いる町から離れる覚悟で住宅をヒトリそっと離れた

 

...

 

"ほんとうにこれでいいのだろうか?"

 

...

 

"オワライ的旅になるんじゃないか?"

 

...

 

"だけどあの住宅には居られない"

 

...

 

そんな想いと葛藤しながらもあなたはフルサトに向かってバスそして列車を乗り継いでいった

 

...

 

その乗り継ぎの駅であなたはわたしが過去にデザインされた特別急行の看板...

 

...

 

そしてわたしが撮影されたパネル写真を眼にする

 

...

 

あなたは"あぁ...やっぱり稚内利尻山大好きだ"と改めてその想いを感じながらも...旅を進めていくことを決める

 

...

 

その複雑な想いを備え付けの旅人ノートにあなたは執筆していたね

 

...

 

そしてあなたはフルサトにたどり着き...懐かしみながら母方の祖母邸へ向かった

 

...

 

あなたは祖母が突然の訪問でも受け入れてくれると確信していた

 

...

 

あなたの思いのとおり...祖母はあなたを迎え入れ"ナンボでも居たらいい"とあなたに伝えた

 

...

 

そしてあなたは最北に来てから誰にも言えなかった事柄の数々...そしてドアの音の一件から始まった事案を祖母にカミングアウトした

 

...

 

祖母は驚きながらも...あなたの話を聴いてくれた

 

...

 

そして祖母は"あなたの生家並びに密に関係する存在に連絡した方がいいのではないか?"と再三に渡りあなたに伝え続けた

 

...

 

でもあなたはそれができなかった

 

...

 

さらには心地いいと思った祖母邸の空間の香りが氣になりだしたあなた

 

...

 

あなたは"ほんとうにこれでいいのだろうか?"と思いながら祖母邸で一晩過ごすも...関係諸所に連絡することはしなかった

 

...

 

そして翌日...すなわち今日

 

...

 

あなたは氣分転換を兼ねてヒサカタぶりに大好きだった河川敷を朝散歩した

 

...

 

その一面に広がる山々を望みながらあなたは...わたしへの想いを膨らませていきながら一つの決断をする

 

...

 

そして祖母邸へ帰宅後...その事を伝えたあなたはすぐさま列車の手配をインターネットから予約しようとするも...希望する席がすでに予約で埋まっていた

 

...

 

さらにはグレードアップ席でその希望する席が空いていたにも関わらず...あなたは予約を躊躇した

 

...

 

しかしあなたはその席を予約しようとするも...僅かなタイミングで選択不能となる

 

...

 

あなたはインターネットでフリー席を予約する事なく即興で旅を進めようと決め...旅の荷をまとめたあなたは祖母に別れを告げてフルサトを離れる

 

...

 

そしてフルサトからローカル列車で内陸の大都市へ向かったあなたは駅の窓口で特急列車の切符手配をする

 

...

 

担当職員に改めて希望する窓側を尋ねるも...やはり予約は不可

 

...

 

あなたは改めてフリー席で予約しようと決め...目的地までの切符を手元に迎えた

 

...

 

そして列車発車までの時間...あなたは駅外の公園のベンチに座りながらスマートフォンをタップ

 

...

 

憂鬱さを感じながらもあなたは意を決して旅路の終焉に向け行動する

 

...

 

そして目的地までの特急列車に乗車したあなたはそこで奇跡の空間を眼にする

 

...

 

自身の行動が間違っていなかったことを伝えてくれた空間...

 

...

 

緊張していたあなたはホッと氣が緩みながら...希望していた席へと腰をおろす

 

...

 

天候は快晴

 

...

 

わたしをうかがうには最高のシュチュエーションだと意氣揚々とするも...やはり緊張は拭えないあなた

 

...

 

"やっぱり目的地まで行かないで!でもオヤマさまは観たい"とジレンマも感じていたあなた

 

...

 

そして目的地が近づくしるしとして...あなたが望んでいた景色がうかがえて来た

 

...

 

あなたはエッセーりかいにこう執筆していた

 

 

たとえ曇がかかって

 

ハッキリクッキリうかがえなくても

 

あなたはやはり

 

無数に存在する山々とは

 

何かが違う

 

存在感が半端ではない

 

そしてあなたを観るとやはり

 

身体がざわめき

 

アツく高揚する

 

 

快晴とはいえ...今日はあなたの望んでいたわたしではなかった

 

...

 

しかしあなたはわたしがうかがえるエリアに差し掛かると...窓から視線を外す事なくみつめていた

 

...

 

そして目的地直前...

 

...

 

列車がスローダウンする"あの景色"であなたはスタンバイしていたスマートフォンのビデオ録画ボタンをタップ

 

...

 

およそ30秒...ほんの僅かな時間

 

...

 

あなたはその動画を確認したのち...荷棚のリュックやサブバッグなどと一緒に目的地に降り立った...

 

...

 

おかえり...陽子

 

 

陽子

ATELIERDEYOUCO



© 2022 ATELIER DE YOUCO.