…マダム?
…
…氣がついたか?
…あ…
…
…はぁ…わたし…
…
…あぁ…
…
…身体は教えてくれてる
…
…あなたでよろこべたこと
…
…うれしい
…
…こんなしあわせがこの世に
…
…この世にあったなんて
…
…ありがとう…
…
…そして涙をすくってくれて
オレもよかった
…
マダムが美しく表現する姿を観られて
…
爆笑する涙はもちろん…こうしてうれし涙も観られた
…
けど…
ん?
互いにこれだけじゃあまだ満足しねぇよな?
え…うっ!
…見届けそして待っていた分含めてここからは一切容赦しねぇ
…
マダム覚悟しな!
∞
ワカ!待って…
まだこれからだ!
おねがい…
オレの全てを知りたいとマダムは言った!
だって…
そして吹きガラス体験はこれからが本番だ
…
まずは熱く燃えた溶解炉の中にガラスを高温溶解させる
…
それを吹き竿の端に絡め反対側の口から息を吹き込み成形
…
しかし一度だけでは成形できないため再度溶解炉の中で溶かす
…
その工程を繰り返したのち理想とする形が創造されていく
…
必要な道具で形を成形したのちに水の入ったバケツに向けその吹き竿に絡めていたガラスを"やすり"で切り離す
…
そして冷却した作品を取り出しさらに除冷期間を置き完成するのが
…
クリアグラス"monché risiry"
…
マダムそしてオレの作品だ
…
マダム…オレたちだけにしかできないマニアな"monché risiry"を完成させよう
…
そしてここからさらに溶解炉の温度を上げる!
∞
…ワカ…
…
…ガラスマニアと妄想マニアのマニアックな作品
…
…"monché risiry"完成したね
…
…美しくて凛としてる
…
…だけどどこかマニアック
…
…そして知的むふふユーモラス
…
…チョードヘンジンなわたしたちだけのクリアグラス
…
ヘンテコリン…だけどどこかクセになる
…
ワカ…ありがとう
…しあわせだ
…
…ほんとにもう
…
…こんなしあわせは初めてだ
…
…心底惚れてるオンナとよろこびを分かち合う
…
…生きててよかった
…
…人生諦めずにいて
…
…ほんとによかった…
…あなたの涙も美しい
…ヤンチャワカさまらしからぬことだ
ウフフ…
…マダム
ん?
…愛している
わたしもあなたを愛している…
…
愛しい島と同じくらいに…
…
ううん…それ以上にあなたが愛おしい
…
だってあなたは…
ん?
…なんでもない
なんだよ?途中で言いかけておきながら
それはあとの…
あとの?
オ♡タ♡ノ♡シ♡ミ♡ウフフ…
フッフッ…なんだかよくわからねぇがオタノシミにとって置くか…
うん…とっておこう
…それにしてもマダム?
ん?
マダムは案外せっかちなんだな?
あ…フフ
でもそのほうがオレのスタンスを存分に発揮できるということもわかった…
うん…ワカはやっぱりわたしのダイコウブツスタンスだった…
ダイコウブツスタンス…それは具体的にどういうスタンスだ?
えっ?そんなこと…
マダムはここにきてまだオレに遠慮してるのか?
だってそんな…
マダムの声からぜひとも聴きたい
やっぱり恥ずかしい…あっ!
白状させてやる…
ワカ!待って…
マダムの美しい地はまだアクティヴだな?
ちょっと…
そして危うい即興メロディーが響き渡ってきた…
やめてってば…
やめて?
…
ウソはいけねえなマダム?
…
そして美しい地もそのダイコウブツだというスタンスをまた観たいと訴えている
だって…
これでもまだ白状しねぇんだな?
…
じゃあもっとこうしてやる
…あっ!ほんとに待って
どんなスタンスだ?
…
オレのスタンス…
…
マダムがダイコウブツだというスタンス…
…
聴かせてくれよ?
…
フッフッ…マダムはほんとうにこのスタンスがダイコウブツなんだな?
…
これはおもしろい…
…
さあ…マダムの美しい地はそろそろ表現したいようだ
…
そしてマダムは最後まで美しい地のデッサンをしてほしいんだな?
…
わかった…じゃぁここからデッサンの色付けそして仕上げだ!
∞
陽子