ここが最後のサンミツ的対策舞台となるガラスマニア邸だ
土間玄関…そして天然木の自然な香り!
オレもこう言った家に住むのは初めてだ
さっき"店仕舞い"した工房の建物内もステキだった…
マダムは"ブログ執筆の参考にする"といってスマホで撮影してたな?
うん!お師匠さんの工房では写真は撮ることはなかったから貴重な写真がとれた…ありがとう
フッフッ…それはよかった
あ…居間の壁にハシゴということは上にスペース?
平屋だが天井を高くして収納用スペースとして創ったそうだ…オレの寝床になってる
寝床…フフ
ん?
だって…ワカが朝晩ハシゴ昇り降りしてるの妄想したら…
なんだよ?
ガラス職人とは別の職業もイメージしちゃう…
別の職業…っていうことはガタイ系の仕事のことか?
…やだ…
…
…またツボに…
…
…お腹痛い…
…
…オッカシイよぉ…
…
…あぁ…
…
…また爆笑しちゃった…
…妄想マニアの笑いのツボはやっぱりマニアックだな
だって…ガタイ…
…
…やだ!また…
…
…どぉしよう…
…
…くるしい…
…
…あぁダメだ…
…
…止まらない…
…
…あぁ…落ち着かないと…
…
ふぅ…まさかここでもこんなに笑うなんて…
…でもしょうがねぇな
えっ?
そんな妄想マニアにガラスマニアは心底惚れちまっている
ワカ…
ハシゴ…登ってみるか?
うん…ハシゴもそうだけど…
ん?
はやく登りたい…
…
あなた自身に…
オレに一度登ったらそんな簡単には降りられねぇぜ?
どうしよう…フフ
じゃぁマダムからハシゴに登るといい
うん…お言葉に甘えて
…
ヨイショっと…
…
わあ…結構高さがある!
上からの眺めはどうだ?
わたし高いところ苦手だからちょっと怖い…
フッフッ…そうだったんだな?
でも…怖くない
…
見下ろしたら…あなたがいる
…
愛する島で愛するヒトが愛するクリアグラスを創ってくれた…
…
美しくて凛とした姿…
…
島…そしてあなたのよう
…
そしてここから飛び込んでもあなたはわたしを受け止めてくれる…
…
雄大な海…
…
とても暖かい…
…
そして別れていたわたしたちを繋いでくれたハシゴ
…
クリアグラス"monché risiry"
…
再会のための路しるべとしてあなたは創造した
…
そんなあなたは今…そのハシゴを登ってきてくれている
…やっと逢えたな?
逢いたかった…
…
…もうどうなっていい
…
あなたの海の中で壊れるなら本望…
…壊してやる
…
跡形もなく…
…
そしてマダムは生まれ変わる
…
グラスカップ"monché risiry"のように
…
より美しく繊細で凛とした姿に
…
そして…ここまでよくやってきたな?
…
周りになじめないながらもなんとか合わせようと自身をおしころして生きてきた
…
だけどもうそんなことしなくていい
…
そして自身を表現しないことをやめよう
…
さっき話したオレの身にあったこと
…
マダムは一切ジャッジメントせずに聴いてくれた
…
オレもマダムが表現する全てのこと一切ジャッジメントしねぇ
…
だから互いに表現しあう
…
そしてみせあうことをゆるそう
うん…
さあ…ガラス工房 atelier Wacca 三つ目となるサンミツ的対策スタートだ
∞
Wacca?
…
あなたは今…繊細なガラス作品を手がけるかのように丁寧にわたしを訪ねてくれている
…
その繊細ながらも重厚なタッチングに頑なだったわたし自身は徐々に溶け始めている
…
それはガラスが熱い炎燃える溶解炉の中で溶けだすかのよう
…
自身を表現することに怯えているわたしをあなたは受け止めながらも互いのよろこびに向け高まりを促していく
…
わたしはオンナとしてセーブしていたモノの境界線が無くなろうとしているのを感じている
…
そしてあなた自身もガラス職人の中に存在するオトコの姿をわたしに観せはじめている
…
そんなあなたの姿をもっと観たい…
∞
Madame?
…
オレは今…ガラスのように美しく繊細なあなたを隅々まで訪ねている
…
あなたはほんの少し戸惑いをみせながらも自身へ向け身も心も預けようとしてくれている
…
そして島でもありながら名峰と呼ばれる山に覆いかぶさっていた雪が少しずつ落ちるかのようにあなたが身に纏っているセンス光る衣を落としていく
…
するとそこには名峰同様美しくそして完璧な姿をしたあなたが居た
…
そのあやうくも凛とした姿に否が応でも自身はより高鳴っていく
…
そしてあなた自身もよろこびに向けて姿声で表現しようとしてくれている
…
そんなあなたの姿をもっと観たい…
∞
陽子