"monché risiry"…
…
あのグラスにそんな名前が…
…
わたしの愛する島…
…
美しくて凛としている…
…
でも…どうしてその名を?
…実はオレにもよく分からねぇ
えっ?
務めていた頃…カップをイメージデッサンしていたらふっと"monché risiry"という言葉が湧きあがった
…
なんでこんな言葉思いつくんだろうって思いながらもノートに書き記した
…
そして先週のバザー名"マルシェモンシェリシリィ"
…
この島に来てからそういったイベントがあるというのを知ったオレは驚いた
…
そしてその名が付けられたカップを購入してくれていたオンナとこうして再会することができた
…
…聴かせてもらえるか?
えっ…?
話の前に伝えたことの返事を…
あ…
…
氣持ちはうれしいけどわたしあなたよりも20歳も歳上…
…マダム?
…
外側のことではなく…マダムの氣持ちが知りたい
…
そしてオレは年齢差含めた外側のことなんか一切氣にしねぇ
…
…マダム?お!
…
…
…こちらが妄想マニアのスペシャルマル秘お返事とあいなります
…妄想マニアは大胆だ
ウフフ…そしてワカさん
…
わたしもあなたが好きです
…
ぜひお付き合いさせていただきます
…ん?ワカ"さん"?
あ!わたしったら…ワカ!
…ではそんなお調子アトリエマダムに二つ目となるサンミツ的対策を講じます
それはどういう…あっ…
…
…
…こちらがガラスマニアによるプレミアムマル秘返信となります
スペシャルがプレミアムに進化してる…
フッフッ…お!
…あったかい
…
あなたの大きな海…
…
ほんとはわたし…ずっとこうしたかった
オレもだ…
…帰りたくない
…
今日はあなたの海の中で過ごしたい…
…マダム?
…ん?
マダムは今日は…安全日か?
えっ…?
すなわち"透明シート的"品は必要だろうか?
あ…でもわたしアラフィフだしそんな…
いや…マダムは"永遠のべっぴん"だ
…
その完全な容姿に年齢という制限はない
…
オレはそう思っている
ワカ…ありがとう
うん…
あ…1週間前に"レディ休暇"が済んだばかりだから大丈夫だと…
…わかった
そしてわたしもカミングアウトしたいことがある…
ん?
わたし…前パートナーと四年暮らしておきながらほとんど営みがなかった
…
営みとはほど遠い体験…たがいに真の姿をハッキリとみることもなかった
…
それ以前にそう言った体験が全くなかった…
…
わたしはあらゆることを諦め"二度とパートナーは創らない"と決め島に移住した
…
だけどあなたに出逢ってから身体が信じられないくらいチリチリと熱い
…
それは"パートナーを創らない"という決意を揺るがせそして消えさせようとしているかのよう
…
でもその決意はもう消えた…
…
わたしを受け止めてくれるあなたの海がそれを溶かしてくれた…
…
そしてあなたの過去もすでに溶けてる…
…
わたしにそれを告げようと決めた時点で…
…
ありがとう…伝えてくれて
…
いまはそれだけの想い…
…マダム
ん…?
いまオレはガラス職人としてあるまじき妄想をしている
…
すでに工房内での吹きガラス体験の準備はととのっている
…
だけどいま…オトコとしてべっぴんマダムの全てを知りたい
…
そしてこれまでの互いのマニアな体験含めあらゆることを二人でシェアしたい
…
そんなことを妄想してる…
…あなたが決めて?
…
ここはあなたのガラス工房 atelier Wacca …
…
職人…そしてオトコとして決めたこと…
…
わたしはあなたの決断を尊重する…
…
だから…あっ!
…じゃあこうする
もっと強くして…
…壊してしまいそうだ
…
ガラスのように繊細なマダムを…
…壊して?
…
あのクリアグラスのように1度壊れ…そしてあらたに生まれ変わる
…
あなたの海の中でわたしも…
…もう止められねぇぜ?
…
自身の溶解炉の炎はすでにアツく燃えている
…
そしてどんな作品を創造するのかさえオレ自身分からねぇ
…
さらにはガラス職人ではなくオトコとしてこうした選択をしてしまったこと…
…
けどオレは今の想いに正直でいたい
うん…
それじゃぁ最後となるサンミツ的対策を講じるための準備をする
最後?それはいったい…わっ!
まず本日の吹きガラス体験はクリエーター都合による むふふ的ドタキャンのため工房内の店仕舞いをする
フフ…オヒメサマダッコ!
体験製作は改めて日時調整をさせてもらうとして…その詫びと言ってはなんだがアトリエマダムをガラスマニア邸へ案内する
案内…どんな案内?
それはここでは言えねぇ…ガラスマニア邸でたっぷりと教えてやる
ガラスマニアさんはヒミツ主義的…
∞
陽子