アトリエヨウコ

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わっか ∞ Monché risiry

 

いつものようにグループのヤツらとバイクで愉しんだあと…家の前まで送ってもらったオレは怒り心頭の表情をした叔父の出迎えを受けた

 

 

そして"ちょっと来い!"と言われて居間に誘導されたオレは叔父にコンコンと頭ごなしに怒鳴られた

 

 

オレもその叔父の言葉に"うるせぇな!親でもねぇくせに"と反抗した

 

 

すると叔父は"なんだと?!"といって初めてオレに手を上げた

 

 

叔母は"あなた!やめて"と叫んだ

 

 

でもオレはそれをきっかけにこれまでの不満をはらすかのように近くにあったクッションを叔父に向けて投げつけた

 

 

そしてそれを合図に叔父と怒鳴り合いながら小競り合いとなった

 

 

叔母はオレたちを止めようと必死になっていた

 

 

でもオレや叔父はそれを無視して互いに取っ組み合いの大げんか

 

 

すると叔父はオレに向かって"そんなにイヤならここから出てけ!!"と一言

 

 

その言葉にオレは頭が真っ白になった

 

 

そしてオレはすぐさまキッチンに向かい取り出したものを居間にいる叔父に向け勢いにまかせて…

 

 

氣がついたら叔母の"あなた!しっかり"という声にオレはハッとした

 

 

そして叔母はすぐさま手当を施す場へ手配

 

 

オレはぶるぶると身体を震えながら手にしたものを握りしめていた

 

 

叔父は運ばれる際も意識はあって叔母の声かけに辛いながらも反応していた

 

 

そして叔父の一命がとりとめられたのと引き換えにオレは日常生活からかけ離れた場で過ごすこととなった

 

 

最北端の街で両親としあわせな暮らしをしていたオレが突如こうした目まぐるしく環境が変化していくことを体験していく…

 

 

オレの何がいけなかったんだ?

 

 

オレの居場所はどこにもない

 

 

オレはもう生きていてもしょうがない

 

 

そんなことをずっと考え…そして起こしてしまった出来事に後悔しながらも1日1日務めをこなして行った

 

 

そうして数年過ごしていたある日…施設にガラス職人が来訪し講和を開くという行事があった

 

 

そのガラス職人はのちのオレの師匠となる存在

 

 

約1時間の熱のこもった師匠の講和にこれまで興味の全くなかったガラスという言葉にオレは興味が湧いた

 

 

そして講座が終わってからは"務めが終わったらあの師匠の元でガラス作品創りたい!"って思うようになった

 

 

それを実現するためにもフラフラせず務めをしっかりとこなそうと決めたオレはこれまで以上に真剣に務めていった

 

 

その傍らで施設を通して師匠宛に"講和を聴いてガラスに興味が湧いたことや務めが終わったら師匠のもとで修行したい"などとしたためた

 

 

後日師匠からも返事が来たけど初めは相手にされなかった

 

 

けどオレは諦めずに何度も手紙を送った

 

 

すると務めが一年前倒しで終了することとなったそのタイミングで師匠から"あなたの熱意はわかった…務めが終了するその連絡を待っている"と返事が来た

 

 

師匠とのやりとりを知っていた職員の計らいによって施設から直接師匠へ"この日に務めを終えるので迎えに来ていただけるだろうか?"とオレたちを繋げてくれた

 

 

そして務めが明けたオレは遠縁の叔父夫婦の元へは戻らず…そのまま師匠のガラス工房"monatelierY"へ弟子入りした

 

 

けど最初はガラス作品を創る工程に携わることはさせてもらえず工房の掃除や注文デンワの応対なんかの仕事をしていた

 

 

掃除中に師匠が創った作品を誤って割って"何してんだ!"って怒られたりデンワでオーダーを受けた数を勘違いして師匠に伝えてしまったりと失敗の連続だった

 

 

だけど師匠の作品はもちろん工房にある全てのガラス道具をみていると不思議と心が落ち着いていった

 

 

"いつか必ず自身の作品を創造する"

 

 

改めてその夢を実現しようと決めたオレは務めていた時同様より真剣に師匠のもとでガラスや経営など独立のために必要なノウハウを学んでいった

 

 

そんなオレの姿を見た師匠は少しずつガラスに携わらせてくれていった

 

 

そして修行して6年過ぎたときに"本格的に自身の作品を創ってみるといい"と師匠から声をかけられた

 

 

その言葉にオレはよろこびながら一冊のノートを取り出した

 

 

それは務めていたころに"こんな作品を創りたい"とイラストにして描きためていたノート

 

 

それを参考にしてオレは溶解炉の火入れから全て一人で準備して作品を手がけた

 

 

完成した作品を見た師匠は"またまだだな"といいながらもうれしそうな表情をしていた

 

 

除冷期間を置いたのち"ワカの記念すべき処女作を撮影する"といつになく真剣に作品のアングルを決めながらデジタルカメラで数枚撮っていた

 

 

そのあと"この作品に名はついているのか?"と尋ねられたオレはその名を師匠に告げた

 

 

その後のことは先週のバザーでマダムに話した通り…

 

 

ネットショップでオレに何も言わずに作品を販売した師匠は作品とともに作品名を載せていた

 

 

マダムは購入した作品名を忘れてしまっている様子だけど…

 

 

その作品にはこう名付けていた

 

 

"monché risiry"

 

 

陽子

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