…ん?
雨…?
いや…オヒサマヨウコはサンサンと出ている
でも霧雨のようなこれ…なんだ?
ん?なんか樹々の香りとは違うニオイ…
えっ?そしてブルブルとエンジン音がする!
そしてどんどんこっちに向かって音やナニかの氣配が近づく…
あっ!同士よ…どうした?
えっ?ボス!ダジャレ言ってる場合じゃない?
同士!むせこんでるけど大丈夫か?
…
問いかけにも応じなくなった…
そして他の仲間たちもむせこみ始めた…
一体ナニが起きてるんだ?
あっ!霧雨だ!
ウエッ!ゲホッ…
なんだこれ!
…先頭に妙なシャワー的道具持って歩いてる存在
そしてその後にホース的道具を引っ張ってる存在たち…
この存在たち一体ナニしてるんだ?
あぁ!ウエッ…
…
…
…やっと通り過ぎてくれた…
ゲホッ…これはキツい…
同士…アンバイはどうだ?
えっ?かろうじてなんとか…
ほかの仲間たちも…なんとか平氣?
それは良かった…
お…仲間でもあるトンボゥ…
さっきまでジブンたちとニヤニヤとマル秘マニアトークをしていたのにアノ霧雨が降ってきたらこつぜんと姿を消した…
でもまた戻ってきてくれた…
えっ?ボス…これはあなたたちが豊かな収穫のために施される第一弾霧雨…また日を改めて霧雨を降らせにくる?
トンボゥ!冗談だろ?
こんなのしなくてもジブンたちはオヒサマヨウコはもちろん雨風があれば十分リッパなオコメに…
えっ?それがマニアな世では当たり前…
さらにはそれをしないとオコメとして旅立つことができないのはもとよりアルジたちもそのシゴトができなくなる?
そんなバカな…
だってジブンたちは来るべき旅路に向け芽がでるようにと大切にされてきた
まずはアルジたちの所有する総合的建物の一角にあるプール的ルームで迷子にならないようにと網的グッヅにダイブ!そこでじっくり泳ぐ
そして上がってから芽が出やすいようにとアルジ宅の温泉的ルームでちょうどいい湯加減で毛布的布に包まれながら湯治
さらには先のプール的ルームでより進化に向け泳ぎまくる
するとジブンたちは殻の中が窮屈になってくる
そうするとアルジたちはジブンたちが泳いでいた空間から"よっこらせー!"と引き上げる
そしてしばらく身体を自然と乾かしているとナニやらハイテク的機械はもちろん
土…そして酸味香るジブンたちのゴハン的つぶつぶ
さらにはジブンたちの成長を促す豊かなポット的円形状のシロモノが取り寄せ届けられる
その各自独立したマンション的スペースにジブンたちはハイテク的機械を用いてお引越しの準備
まずはコンベアー風にマンション的ポットがカタコトと移動され土が入れられる
そして次なるゴハン的つぶつぶスペースへ移動
その準備がととのったあとジブンたちは居住的スペースに入居
そして玄関のカギを渡されるかのごとくふかふかの土を乗せられ…仕上げとしてキレイに整えられ丁寧に移動車のスペースに並べられる
その作業を繰り返したのちジブンたちは先にアルジたちがスタンバイしていたという透明シート的時空間へと場を移す
そこではジブンたちが苗として芽を出しある程度ミドリボーボー的成長を遂げるまで過ごす場所
その土台となる地がキレイに整備された場でジブンたちはマンション的ポットを一枚一枚ピタリと確実にパズルをはめていくかのように居住を構える
そしてその作業を進めること数日…ジブンたちは全員ちょうどいい氣温の透明シート的時空間の地へ降り立った
するとほどよいぬるめのシャワーがジブンたちに丁寧に満遍なく施されていく
それが終わると"おやすみなさい"的シートが一面にしかれジブンたちは安心して眠りにつく
そして氣がつくとジブンたちはシートがそっとはがされ…透明シート的時空間を通してオヒサマヨウコの温もりを感じる
するとまたもやイイアンバイのぬるめのシャワーを浴びたのち…アルジたちが空間の透明シートを所々開けて換氣
その心地よさときめ細やかな対処を繰り返されるのちにジブンたちは自身を表現したいと願う
そして居住スペースでまずは地に根を下ろしそしてきたるべき旅に向け天に向け表現
すると"芽が出た"などという声が透明シート的時空間に響き渡る
そしてジブンの周りを見渡すと仲間たちも同じように天に向け自身を表現
ヒサカタぶりの再会にジブンたちは"よかったな!これからチームオコメとして進化しようぜ!"と決意をあらたにミドリボーボーを目指し快適に過ごしていた
そうしているうちにジブンたちの成長とともにおやすみなさい的シートは卒業
氣候も初夏を予感させるかのごとく透明的シート時空間は常に換氣されていた
つまりそれはチームオコメとしてあらたな旅立ちがはじまる合図
ジブンたちはすでにその居住スペースが窮屈になっていたほどミドリボーボーと成長していた
そして旅立ちの日
ジブンたちはアルジたちにより最後の心地よいシャワーを浴びる
旅立ちに向けアルジたちは居住スペース的ポット一枚一枚をベリベリ!と氣もちよくはがし専用カーに乗せていく
そこでも仕上げに天然の湧き水を浴びジブンたちは"最高のオコメになる!よっしゃやったるで!"と氣合い十二分!
そしてジブンたちは今いる地へ向け移動されるがそこでもハイテクな機械を目の当たりにする
それを操縦するアルジはジブンたちにとって最後のとなるアノ酸味香るつぶつぶはもちろん諸処のスタンバイを完了させ待っていた
オヒサマヨウコがサンサンと照らす快晴のなかジブンたちは実り豊かなオコメとなるためそのハイテク的機械にバケツリレーのように丁寧に手渡されスタンバイ
そして全てのスタンバイが完了とあいなったその時
エンジン音もより高まっていった
と感じた瞬間
ハイテク機械はゆっくりとジブンたちの今いる地へと降り立つ
そしてカシャン…カシャンと音がする
仲間たちが着実に次々と地に降り立つなかいよいよ次はジブンの番だ…と緊張も高まっていきながらもその身を任せていく
するとジブンも仲間たち同様あるべき地へ無事降り立つことができた
その地は土そして水がバランスよく保たれた地
そして心地よい風さらには満遍なくジブンたちを照らすオヒサマヨウコ
この実り豊かなひとときを仲間はもちろん存在するすべての動植物みんなはもちろん
ジブンたちを丁寧な配慮で成長を促したアルジたちとともにチームオコメとして実りの収穫までを存分に愉しもうとこんにちまで過ごしてきた
しかしジブンたちはもとより生きとし生けるものすべてにおいて不必要な霧雨が突如襲った
でもこれをしないとジブンたちはチームオコメとして旅立つことができない
さらにはその成長を後押ししてくれていたアルジたち
その存在もまたそれをしなければマニアな世を生きていくことができないなんて…
しかし…そうしなくても生きてもいける
でもそれはこれまでの考え生き方を360度変えていかなければならない
その空間から抜けるということ
それにはとても勇氣がいる
ほんとうに生きていけるのか
そして周りの眼が氣になるなど
数えきれない恐れ不安が霧雨のように身に纏わりつく
それはアルジたちだけの問題ではなく
意に反し
長い間脈々と受け継がれてしまっていた
でも今氣づいたのなら
行動を起こし
あるべき形へ還すチャンス
それができるのは
オヒサマヨウコ
あなただけだ
∞
陽子