∞
半袖
両腕に薄らと油はねの火傷の跡が数箇所ある
半ズボン
右脚膝上に物心ついた時から500円玉サイズの謎の出来物がUFOのようにプックリ、両脛に皮膚の痒みで無意識に引っ掻いた傷の跡が薄ら残っている
いずれも
必要として存在している
だから堂々と
身体、心すべてで
短く暑い
期間限定の夏を
満喫しよう
∞
天国を満喫したら
地獄を知りたくなり
地獄を味わったら
天国へ戻りたくなる
今ここ
天国と地獄
中間の
地上
"天獄"
に居る
わたしたち
∞
当たり前だと
当然だと
自然なことだと
思っていた
この世で生きる
それこそが
逃れられない呪縛
だなんて
一切
疑わず
何も知らずに
∞
全て
お見通しだ
あなたが注いだ
濁し隠す水は
透明なグラスが
透明な水へと
瞬時に変えた
∞
理想のあなたは
理想のわたし
あなたは全てを持っていて
わたしも全てを持っている
∞
知っていた
突然の別れ
では無かったこと
氣づいていた
偶然の別れ
でも無かったこと
分かっていた
必然の別れ
だったことを
∞
カラフル
だけじゃない
燻んだ色
澱んだ色
どす黒い色
その全てがあっての
あなた
∞
何処か遠い所に
あると思っていた
だけど
あなたが
教えてくれた
楽園は
何処か遠い所に
あるのでは無く
すでに
自身の中に存在していた
だからもう
探さなくてもいい
あなたが
見つけ出してくれたから
∞
諍うことなく
身を委ね
日々
揺れ動く
生命の鼓動の数々
すべての生命は
観ることも
掴むことも
留めることも出来ない
風に乗って
やってくる
∞
切ないほどに
刹那
この瞬間
2度と来ることのない
一瞬
時間ではなく
制限無制限を超えた...
奇跡
魅惑で無限の空間を持つ
あなたと
こうして
一つとなり
互いの
よろこびを
分かち合えた...
しあわせだ
∞
今
この瞬間
自身は
善悪
どちらの方向へと
進んでいるのだろう
∞
自身で決めたこと
ずっと続けてきた
これが正しい
これが自然だ
疑うことなく
空氣を吸うかの如く
なんの疑いも無い
だから常に
マイルールから
はみ出ないようにする
はみ出そうになったら
自身を律し
立て直し
また
マイルールの中で生きていく
だけど時々
無言でマイルールの中に入って来ようとする存在がいる
最大限の予防線を張り
決して入れまいと
きめ細やかな対策を講じる
すると
その存在は諦め
そっと姿を消す
マイルールを守れたことに
安堵しながら
何氣なく
マイルールの窓越しから
外を眺めていた
その時
ふわり
マイルールの中に
白い羽根が静かに舞い降りる
不思議に思いながらも
それをそっと両手で受け止めた瞬間
頑なマイルールの殻が
一瞬で
消えた
∞
夜明け
朝焼け
曇り空
霰霙雨
雨上り
晴れ間
夕焼け
陽暮れ
闇深し
-今日の心模様-
∞
たとえ間違いだったとしても
わたしは確かに心の声を聴いた
16年前の
真冬のある日
レトロで風情ある
カフェのドアを開けた瞬間
【あぁ...このヒトと結婚するのかな?】
でも結婚できたのは
その3時間きりだった
プロカメラマンで兼業農家だったあなた
18歳歳上だったあなた
自身の作品の数々をカフェ内に展示していたあなた
マスターと親しげに話をしていたあなた
持参していたフォトアルバムの作品を丁寧に説明してくれたあなた
わたしの撮った写真に的確なアドバイスをしてくれたあなた
時折席を離れてタバコを吸っていたあなた
'飲み物のお代わりはどうか?'と尋ねてくれたあなた
別れる際に連絡先交換しないか尋ねたら'渡した名刺に書いているから...'と若干はぐらかしたあなた
こちらから電話しても忙しそうにしていたあなた
そして
最後の最後まで自身の想いを話すことは無かったあなた...
間違いだったのかな?
叔父夫妻からの
はじめてのお見合いを受けたこと
でもね
ひとつだけ言えることがある
きっとあなたも
わたしと同じ心の声を聴いた
のではなく
あなたの心の声が
わたしに伝わってきた
鏡に反射するように
∞
わたしの
からだは
しずくで
できてる
ひとつぶ
ひとつぶ
いのちの
おみずが
たくさん
たくさん
こころに
よりそい
そうして
わたしが
できたの
-雫-
∞
要らぬ節介
要らぬ強要
要らぬ命令
要らぬ不満
要らぬ不安
要らぬ恐怖
要らぬ疲弊
要らぬ遠慮
要らぬ執着
要らぬ依存
要らぬ期待
要らぬ散財
要らぬ下心...
どれも
何もいらないんだ
とっくの昔に
使えなくなっているから
∞
もう
どうすることも出来ない
もがけばもがくほど
あがけばあがくほど
底の底まで堕ちていく
八方塞がり
何も考えられない
だからもう誰も
わたしに構わないで
過去も現在(いま)も
何もかも
全て見えない
見たくない
だけど
もしも'未来を見れる'なら
未来の自身が居る
'現在が見られる'のなら
夢の中で構わない
だから
見せてほしい
一つ先に存在している
過去現在未来
その全てを超えた
全ての景色を
∞
あなたは
ヒトに観られたくないモノ
自身が観たくないモノ
無意識
且つ意識的に
キョロキョロ
コソコソ
常に周りを窺いながら
多色で多彩な
秘密の箱に隠し続けている
だけど
その秘密の箱
あなたが手にした瞬間
すでに
無色透明の箱となっていた
そのことに
氣づかないフリをしながら
今も懸命に
隠し続けている
その
大切だと思い込んでいた
秘密の箱の中には
無色の世界が
無限に広がっている
∞
葉芽
花芽
花弁
葉桜
実桜
桜散る季節を観て想う
終わりでも無ければ
始まりでも無い
自身の全てを偽りなく表現する
甘美で潔い
あなたのその全てが美しい
∞
あなたは
とうに知っていた
あの日
完全な姿の
完璧な夢の
奇跡のパズルを手にしていた
でもまた
ゼロから創造したいと
自らの手でバラバラにしてしまった
無数のパズルピースを探す
途方もない
長い旅路
長い年月
当たり前のようで
当たり前ではない
日常をただただ繰り返していく
そして氣がつけば
最後の一枚で完成となる所までやって来た
だけど一体
'それ'は どこに存在するのか
でも
あなたは
とうに知っている
'それ'は
ここではない、どこかで
愛する存在が
愛するあなたに受け取ってもらう
その想いだけで
ただただ
静かに穏やかに
その時を待っている
完成の日は近い
∞
届かない
のではなく
届くことを自ら望んではいない
けれども
自身を試してみたい
届かないことを望みながらも
内心は届くのではないか
という期待も込め
届かぬ想いを人知れず抱えながら
日々を生きている
∞
陽子